旗本土屋氏による支配は、江戸から派遣される者と、町場や米所の有力者から登用されていました。紙谷、加藤、野尻、太田、山中、山田、北嶋、柚木、中村、松井氏などは後者で、記録に見える地代官です。彼らの役割は、陣屋の御用金の負担や江戸屋敷への送金や連絡、陣屋の賄いなどでありました。
ところで、森町には、土屋氏や忠臣蔵にまつわるものが残されています。江戸屋敷の家来であった竹中氏が伝える「元禄実記」には、忠臣蔵の模様を鮮明に記載しています。また、忠臣蔵の際に、義士たちが使ったとされる「とっくり」や土屋家のちょうちんがあります。
昨年、行われた「土屋の殿様」の講演会では、越前本多氏にも、赤穂藩から記念品として、「かたびら」が贈られており、土屋家にも同様に記念品として贈られたのでしょう。討ち入り前に、杯を傾け、決死の討ち入りを誓い合い、杯をたたき割り二度度戻らない決意で、突入していったんでしょうか。ちょうちんも討ち入りを照らし出したものなんでしょうか。
忠臣蔵のときに使ったとされる「とっくり」