先に紹介した「報徳の教え」(堀内永人著)という本に、「大原孫三郎」が紹介されているが、孫三郎氏が報徳の教えに開眼したことについて、次のように書かれている。
「東京専門学校(早稲田大学)在学中・・・同じ下宿に、二宮尊徳の教えをしっかり学んでいる静岡県周智郡森町出身の学生・森三郎がいた。
森三郎は・・ある時栃木県の足尾銅山に孫三郎を連れていった。・・・正義感の強い孫三郎は、経済的弱者の幸福を犠牲にして、自己の利益を追求する資本家のやり方に大いに憤慨した。・・・孫三郎19歳のことであった。
さらに森三郎は、倉敷に連れ戻された孫三郎の許へ、二宮尊徳の伝記『報徳記』を送り、『・・・道徳と経済は合致することにより、人は幸せになれるのだ』と教えた。孫三郎は、森三郎により贈られた報徳記を、背文字が擦れて読めなくなり、綴じ糸が切れて落丁するほど、繰り返し、繰り返し読み続けた。二宮尊徳の教えに感動し、『一人でも多くの人が幸せになれるように尽くそう・・・』と難く心に誓った・・・。」と記している。」
大原氏と森町を結ぶ不思議なご縁。森三郎のことは私も不明、又調べることができた。